hiden voice


2010/2/24「これもまた人生」

プロツアー第3戦。
石打丸山でのデュアルに出場してきましたので、皆さんに結果報告します!!
今回はPSA15周年記念大会ということもあり、たくさんの懐かしいライダーにも会いました。
とても楽しく、そして運営も最高で、滑る選手は最高だったのでは??
そして盛大に盛り上げてくれた運営サイドには、大変感謝します。

さて、僕の結果ですが、最終リザルト16位でした。

予選1本目、現在ランキング4位という事で2番スタートでした。
そのスタート順も生かし、とても気持ちよく滑りました。
結果、タイムも、フィーリングも、メンタル面も、とても良かったと思います。
1本目は、滑ったコースでの4位となり2本目を迎えました。
2本目も、1本目と変わらない精神状態で、スタートを迎えられていました。
スタート後、フィーリングもとても良かったと思います。
しかし、予測しない事態が起きてしまいます。
中盤過ぎ、板が横に走ってしまいまさかのコースアウト。
「おぉ〜まぁい〜がぁぁぁっと・・・」
必死にフェイキーでコースに戻り、諦めずにゴールを目指しました。
致命的なミスに、「何でこんな時に・・・」と思いました。
同走した西原選手は3〜5旗門は前にいたかと思います。
絶体絶命な状況で、決勝進出は諦めました。
ゴールしてから、必死になぜあのようなミスをしたのか考えました。
考えて考えて考えて、それでもあの時はなぜミスしたのか、分かりませんでした。

それでも、天は僕にチャンスを与えてくれました。
1本目タイムの貯金で、決勝にギリギリ進出させてくれたのです。
しかし16位通過、決勝1回戦は予選1位の戸崎選手です。
戸崎とは今シーズン2回目の対決です。
実力差はありますが、戸崎が勝つとは決まっていた訳ではないので、
僕は全力で彼に挑むこと、そして勝てるチャンスを得ることに全力になりました。
結果は敗退でした。
全力を尽くしましたが、彼に勝てることができませんでした。
今回の大会は、またしても戸崎選手の優勝です。
彼は今とても強いです。
今までも強かったですが、今期は国内で負け無しの強さです。
でも僕は、彼がなぜあんなに強いのか?少しだけ分かるような気がします。
そして、これだけの強さを見せる彼の裏側は、決して簡単な言葉で片付けられないような、
彼の努力や思いがあるのでは?と思います。

話は少しそれますが、戸崎啓貴選手や、今回2位となった川口晃平選手。
彼らはオリンピックの選考にもっと絡んでも良かった選手だと思います。
それだけ、実力は確かなものだと僕は感じていますが、
今のナショナルチームは、そういった選手にチャンスを与えることをしていません。
選考も明確でなく、どうやったらオリンピックへの道が開けるのか、
きちんとしたレールを選手に示していません。
彼らだけではなく、これから世界を目指す若い子達はどうすればいいのでしょうか?
オリンピックで、ハーフパイプなどの話題も取り上げられていますので分かりやすいですが、
ハーフパイプのトップ選手達とは違い、アルペンのトップ選手は、
メディアやスポンサー収入だけではとても活動していけません。
必死で働き、資金を稼ぎ、夢の実現に向けて必死に取り組んでいるのです。
僕の周りだけで、どれだけそういった選手がいることでしょうか?
ならば、明確なチャンスだけでも与える道を作るのが、協会の役目だと思います。
是非、若い子達が世界を目指せる、明確な目標を持たせてあげたいと心から願います。

と、こう反発するとどこからか圧力がかかりそうですが・・・(苦笑)
でも正直な気持ちです。

話を戻しますが、大会終了後の夜に自己分析をしました。
おそらく、今回のミスは心の“邪念”です。
予選2本目を滑走している時、心の中に“邪念”があったことは事実です。
あの“邪念”が、予測しなかったミスを招いたのだと思います。
中国古典にこのような言葉があります。
「満は損を招き謙は益を受く」
この言葉の意味は、満は傲慢であること。傲慢であると損を招くのです。
逆に謙は謙虚であること。謙虚でいれば利益を受けることが出来るのです。
そして、あのミスがあったから決勝に残れたとも思うようにしています。
あのミスがなければ、あの後にもっと大きな失敗をしていたと・・・。

僕は基本的に、過去はあまり振り返りません。
その日起こったことは、その日のうちに振り返り、反省すべき点は反省して、良かった点は褒めて、スッキリと次の日を迎えるようにしているからです。
終わってしまった事は、絶対に変えられないことを知っているからです。
そして、悪いことは長く続かないし、良いことも長くは続かない。
人は、失敗することで学び、そしてその失敗が成功を生み出す。
逆に、成功することが失敗の原因となり、また同じ事の繰り返し・・・。
これは、スポーツだけではなく、ビジネスにも、プライベートにも言えることだと思う。
僕も時々ご褒美はもらうけど、ご褒美だけをもらって生きている訳ではない。
時には厳しい道を歩まなくてはならないけど、これが人生。
だから人生はワクワクするんだと思う。

僕はよく読書をしますが、僕が読んだ本は、付箋紙や赤線で汚い本になります。
そういった本は、結果としてとてもよい本だったのです。
そして、一冊の本を読み終えて、付箋紙や赤線を引いた本は、気になった言葉など、
ノートに書き写して保存しています。
そのノートは、自分が何か壁を乗り越えなくてはならない時に役立ちます。
それが僕の人生です。

以前、hiden mailにて下記のような言葉を書きました。
“正直なところ、この数年では技術的な部分で大きな成長はできていないと思います。”
しかし、この言葉は訂正させてもらいます。
俺は、確実に成長していました。

今ようやく、本気でスノーボードレースで戦えていると断言出来ます。
残り2戦、SAJ全日本とプロ戦最終戦がありますが、その大会での明確な目標も定めました。
後は、その大会に向けてのプロセスを歩んでいくだけです。
「結果が全て」という人もいますが、僕はプロセスこそが全てだと思います。

悔いのないよう一日一日を全力で生きる。
これもまた人生。

ひで