hiden voice


2008/3/8「大会報告 2」

皆さんこんばんは。
3月に入り、いよいよシーズンも終わりに近づいてきました。
家の周りにあった雪はみるみる溶け、地面が顔を出しました。
そんな光景を見ながら、少し寂しい気持になっているのは僕だけでしょうか?
冬が終わる、何とも寂しい季節なのですね・・・。
それでも、少しでも冬を、スノーボードをと、まだまだ練習に励んでいます。
もう大会は終わっちゃったのに・・・。

さて、今日はその終わった大会のご報告をしますね。

■ 2月27日 FIS全日本選手権 予選15位通過 決勝1回戦敗退

FISの全日本に出場するのは数年ぶり。
今の全日本は、レベルが高いだろうから挑戦者のつもりで出場した。
今年開催された上越国際スキー場は、とても雪が多い地域なのは知っていたが、
大会前日から、まぁ、よく雪が降っていた。
大会当日も、本当によく雪が降った。
大会後、車に行ったら埋まっていて、掘り返すのが大変だったくらいだから(笑)
それでも、俺は悪天候のレースが嫌いではないし、そういった時ほど力を発揮してきた。
今年は、前からも話しているとおり、シーズンインがスムーズではなかったので、
思いっきり滑れる状態になってから、日が浅かったし、やれることは限られていた。
挑戦したい気持が強かったのと同時に、今どれだけ自分が通用するのか?
その不安要素の方が大きかったように思う。
まだ俺は、戦えるまで自分を引き上げて、挑戦できる状態ではなかったと思う。
それでも、大きな緊張もせず、予選の2本のランを終えた。
2本ともフィーリングは良くなく、ギリギリの15位で予選通過。
決勝一回戦の相手は予選2位だからね、簡単に勝てる相手ではない。
でも、デュアル種目の面白いところは、決勝にさえ残れば誰にでもチャンスはある。

相手の選手は急成長を遂げた、金山選手。
FISレースに出場できる年になったかと思えば、全日本で予選2位だからね。
この一年頑張って、チャンスを掴んできたんだなぁと感じた。
でも、年は倍近く離れているけど、おじさんの意地も見せたいと思った。
予選の状態だと、間違いなく勝ち目はないと感じたから、本当に集中したよ。
でも、その集中がとんでもないことで飛んでしまった!?
これはすべて自分の責任。
道具のチェック、予備を怠ったことで起こってしまった事態だから・・・。
スタート直前、なんたってブーツがビンディングに入らない。
(俺はステップインを使用しているから、使っている人はある程度分かると思うけど)
スタートのシグナルが鳴り始めても、入らない。
その瞬間、見るに見かねたのか、ナショナルチームのスタッフの方が手伝ってくれて、
無理矢理に俺のブーツをビンディングに入れてくれた。
それは同時に、スタートをしなくてはいけない瞬間だった。
ゴールするまで3回も転び、レースどころではなかった。

2本目、予め準備したつもりでも、やっぱりなかなか入らなかったが、
幸い、仲間の手伝いもあり、十分にスタートの準備はでき、集中力は高められた。
(後のプロ戦で判明したが、ブーツのある部分が損傷していた。)
2本目は、意地でも追いつこうと、そして勝利したいと望んだ。
それでも、相手が一枚上手だった。またしても完敗。残念。
そこで、俺の久しぶりの全日本は幕を閉じた。

今回は、人の助けによってなんとか滑りきることができたけど、
そういった自分を作っているようでは、勝ちはまだまだ遠い。
改めて、自分の甘さを感じ、助けてくれたスタッフ、友人には感謝したい。

今回の全日本は、鶴岡さんが優勝、工藤さんが3位になった。
条件がどうであれ、結果がすべて。
若いモン、もっとしっかりしろっ!と思ったのと同時に、
鶴岡さん、工藤さんの強さを改めて思い知った。
彼らの取り組みは半端ではない、だから強いんだと。
若いモン達、少しは見習ってみたらどうだっ!!

■ 3月1日 プロツアー最終戦 in 車山高原 GS 8位

また、レース間がない連戦となった。
舞台は車山へと移し、今季の最終戦を迎える。
全日本がさんざんだったからね、最後くらい気持ちよく終わりたい。
しかし、全日本から見直したハズだった道具の損傷。
この日まで引きずるとは・・・何とも自分が情けない。
ブーツの損傷のためだと気が付いたのは、この日の2本目インスペクション時。
全日本から、ずっとビンディングの故障だと思って調整していたから、
まぁ、経験がなかったとは言え、ブーツのあの部分の損傷に気が付かず、
レース当日に気が付く結果には本当に自分が情けない。
これは本当に大切な反省材料の一つ。
これからも、しっかりと見直さなくてはいけないと感じました。

というわけで、これが言い訳になるとも思えず、最終戦を振り返ってみる。

最終戦の会場は、コースは短めで、緩斜面が続くコースレイアウト。
一本目、う〜ん、久しぶりに厳しいセットが張られ、緊張が高まった。
仲間達と、日々厳しいセットでトレーニングしてきたからね、
ようやく“来たかっ!”と思った。
スタート時には急に天候が悪くなり、雪が舞ってガスがかかり始めた。
それでも皆同じ条件。
集中力を高めた・・・つもりだった。
しかし、一番大切なことがこの場に来てできなかった。
スタート直後、体が動かず、リズムが作れない。
1〜2〜3旗門とバラバラ、旗門が過ぎてから、体を無理矢理倒しなんとかクリアするものの、
それでリズムを掴める程レースも甘くない。
結果、最後までフラフラの状態で、いいとこ全くなしでゴールする。
そりゃ、そんな状態では遅いわ・・・。
それでも、なんとかフリップに入って2本目を迎える。
2本目は快晴で、集中力も十分に高まった。
久しぶりに俺の中でも“晴れマーク”のランができた。
今シーズン一番のランと言っても過言ではないと思う。
タイム的には、まだまだ伸ばせる要素が自分で分かっていたので十分。
必ずや、来季に向けてつながる一本だと、あのランを求めているんだと、自分に言い聞かせられた。

今シーズンは、シーズン初めに10%の状態に自らをしてしまい、
リスタートしてきた中で、よくぞ自分をここまで持ってこられたと思う。
8位とか9位とか、数字からすれば中堅選手でしかない。
それでも、それが今の自分の実力だと十分に感じている。
全然トップに絡めないのも本当に腹ただしい。

そういったシーズンを過ごして、俺は一つの決断をしました。
これは揺るぎない、自分自身への挑戦となると思います。
あぁ、これだから人生は面白い・・・。

ひで