hiden voice

2006/03/25「初優勝」


興奮が冷めないうちに、初優勝のご報告をさせて頂きます。

「本当に長かったな・・・」と言うのが、正直な気持ち。
そして、「もうこのまま勝つことなく終わってしまう日が来るのかな・・・?」
と思ったり、自分の力に限界を感じた日々もあった。

でも、俺は勝てた。
本当の勝因はなんだか分からないけど、勝つことが出来たんだ。
しかし、一人の力ではとても勝てなかったと思う。
この長い道のりを支えてくれた家族、そしてスポンサーの皆さん。
特に、毎回大会ではサービスマンの沖原さんの存在がとても大きい。
今回も、優勝するまでずっと、スタートエリアで俺をサポートし続けてくれた。
沖原さんがサポートし続けてくれてから、もう何年も経つ。
雪の日も、雨の日も、極寒の日も、何も言わずにサポートし続けてくれた。
それだけに今回の優勝を、一緒に達成出来たことは本当にうれしい。

俺は、この大会期間中に、ある二つの中国古典の言葉を学んだ。
「行くに径に由らず」「満は損を招き、謙は益を受く」
この二つの言葉を胸に、自分自身に自信を持ち、胸を張って取り組んだ。
今回だけは、自分自身に「よくやった」って言ってあげられると思う。

GS競技では、自分の力は出し切れたと思う。
天気の状況により延期となった二本目、「まくってやる!」という気持ちはあった。
でも、急斜面アイスバーンだったこともあり、いつものように攻めきれなかった。
そうだね、上位に行った宮尾さんや工藤さん達が、一枚も二枚も上手だった。
結果七位には満足出来ないけど、これも自分の実力を出し切った結果だ。
上位陣に完敗!!

そしてDU競技。
今回は不思議と緊張もせず、常に冷静に、自分の事や周りが見えていた。
そして、とても穏やかな気持ちでレースに望めていたと思う。
優勝するまでの道のりは長い。
予選を含めて10本を完璧に滑りきらなければ優勝は手に入れられないし、
コースも結構タフな設定だったから、一本一本が決して気が抜けない。
相手が誰であろうと、まずは自分の滑りをきちんとすること、そして焦らない気持ち。
今回はそういったことすべてが、自分自身でコントロール出来たんだと思う。
一本一本を大切に、真剣に、集中して滑った結果、決勝に進めた。
決勝になれば、あとは自分を信じて今日の一番のライディングをするだけ。
いつもはここで勝ちたい気持ちが先行してしまう。
でも、今回だけは違った。
スタートエリアから見ていたのは、遠くの山と雲。
その時考えていたのは、家族のこと。
どんなときも支えてくれた、本当にありがとう・・・。

相手のショウタはアマチュアだけど、トッププロと言っても過言ではない。
俺に守るものはない、俺もチャレンジャーであり、全力で滑った。
その結果勝てた。

そして、勝つことよりうれしかったのは、この俺の勝利を喜んでくれた仲間が居たこと。
みんなライバルのはずなのに、この俺は敵のはずなのに、ゴールエリアで俺を迎えてくれた。
そして、みんなが両手を広げて待っていてくれた姿は、俺の目に焼き付いている。
ゴーグルで隠していたけど、涙が止まらなかった。
今思いだしても、涙が出てくる。
俺は、今までずっと欲しかった勝利と共に、本当の仲間達の温もりを感じられたんだ。
こんなにうれしいことは、人生においてそう何度もあるもんじゃない。
俺は最高の宝物を手にした。

今回の勝利は、いつまでも自分の中で思い出しては笑い、そして泣き、とても大切な思い出となる。
そして、今回得たものは勝利だけではなくて、本当の人としての温もりだったのかもしれない。

遠く離れていた家族、支えてくれたスポンサーの皆様、俺を奮い立たせてくれた仲間達、
本当にありがとう、そして俺は心から感謝しています。
これからの人生、自分もそういった立場で居るべき事も大切だと学べた勝利だった。

しかし、うれしい。
初優勝だけはなんだか特別にうれしい。
久しぶりに、しばらく止めていた大好きなお酒でも飲みますか・・・
ひで