hiden voice

2005.3.28「本当の気持ち」


この季節になると、毎年嫌な花粉が飛び舞うよね。
今年は、例年の何倍もの花粉が予想されていて、俺の周りでも花粉症に悩まされている人がたくさん居る。でも、俺はまだ大丈夫。これからなのかな・・・??

ここ最近では、春の陽気が続き、軽井沢の町中からも一気に雪が消えた。
町から雪が消えていくのを見ていると、なんだか寂しい気持ちにもなる。
俺は今、新しいプロジェクトの始動の為に北海道にいる。このプロジェクトについてお話しできるのは、まだまだ先のことになりそうだが、皆さんには気長に待っていて欲しいと思っている。いやぁ〜、しかし、さすがは北海道!!辺り一面真っ白で、やっぱり俺はこの風景が大好きだ!でも、本州でも場所さえ探せばまだまだシーズンは続く。今年は、時間が許す限り雪を求めてみようかな。今は、もっともっとスノーボードがしたくてたまらないから・・・

さて、3月15日のプロツアー最終戦を終え、今年の大会の全日程が終了した。
ご存じの方もいると思うけど、最終戦は一本目にて転倒、何とも不甲斐ない成績で最終戦を終えることとなってしまった。でも、自分の中では意外とスッキリとしていて、今の自分に出せることはすべて出し尽くせたと思っている。
「なぜか?」というと、今の俺は勝つことだけを見ている。2位とか3位とか4位とか・・・、もういらないんだ。贅沢な話かもしれないけどね・・・。今は、本当に勝ちたい気持ちが強くて、無難に、確実に滑ったとしても、ライバル達には絶対に勝てない。だから、思いっきり攻めて、勝ちを掴み取りたいんだ。もちろん、勝つためにはそれを裏付けるだけの、技術の向上や精神力の向上が必要だ。それをこなすことが出来て、初めて勝つことが出来ると思っている。

最終戦までは、今までにないくらい充実した時間を過ごした。トレーニングも私生活も、一日一日が納得した時間を過ごせたと思っている。
それだけに、とてもいい状態で大会に望めていた。結果につながらなかったことはとても残念だけど、今の自分に足りないものがあるからそういった結果に終わった。まぁ、来シーズンに向けて、とても大切なことを学び、そしてステップアップにつながる大会となったので、とても納得しているのかもしれない。

今シーズンは、本当に色々とあった。
強い気持ちをもって海外に出たのが昨年11月。今シーズンの最大の目標は、ワールドカップへの出場権を獲得することだった。昨年4月に新たな気持ちでトレーニングをスタートさせ、自分でもビックリするくらい順調に、そしていい状態でトレーニングを積んでいくことが出来ていた。気持ちの面でも何かに負けることなく、本当に冬が来るのが待ち遠しかった。しかし、11月に海外に行ってからは、本当に苦しい時期を過ごしてしまった。自分の描いていた夢物語に反して、様々なことが俺には起こった。怪我、気持ちとの葛藤、結局目標を達成してステップアップするどころか、自分にも負け帰国を早めた。
帰国してからは、なんとか自分を奮い立たせようと必死になった。
しかし、前に進もうとすればするほど、何かに引っ張られるように後退した。

そんな時にインドへのスノーボードトリップの話が持ち上がり、そして俺はインドへと行った。インドでは、自分自身が悩んでいることがちっぽけな事に思えるほどの体験をした。「生きる」と言うことの本当の意味を知ったような気がしたからだ。

本当の気持ち・・・、今季限りですべての競技から退こうと思っていた。色々と悩んだ時期もある、大きな壁にぶつかった時期もある、そして自分自身納得出来た部分もある。嬉しいことも楽しいこともたくさん味わった。スノーボード競技を初めて以来、すべてにおいて全力投球で、そして、すべてにおいてやり尽くしたとまで思っていた。その時は、すべてにおいて完全燃焼出来たと感じていたのだ・・・。だからすべてから退こうと、俺をそういった気持ちにさせたのかもしれない。

でも、現状では、「辞める」という気持ちより、「向上したい」という気持ちの方が強く出てきて、今の俺がある。辞めるとか辞めないとかとてもちっぽけで、やりたけりゃとことんやればいい、悔しかったら悔しくないようにやればいい。今は純粋にそう思う。
まぁ、それ以上にスノーボードが好きなこと、レースが好きなこと、
これだけはいつまでたっても変わらなそう・・・、だから辞めることを辞めた。
この先にも、様々な試練や壁が待ちかまえていると思う。でも、それは誰もが同じで、悩みがない人生なんてないと思う。だから人生って面白いんだろうね。

今の俺は、今以上に、今まで以上に、新しいことに挑戦して自分を奮い立たせていきたいと思っている。そういった過程の中で、また新しい夢物語も生まれるだろうし、なんと言っても、自分の人生のストーリーは自分で決めればいい。俺はとても幸せだ。好きなことが思う存分出来て、美味しいご飯が食べられて、そして温かい布団に包まれて眠ることが出来る。
本当に幸せだ・・・。

今シーズン応援してくれた皆様、温かいメールを送ってくれた皆様、本当にありがとう。これからも、変わらぬ応援、宜しくお願いします。
ひで