hiden voice

2004/12/22「厳しさ・・・」


日本は本当に暖かいようですね。
本格的な冬がやってくるのはいつのことになるのでしょうね?
ここヨーロッパも、今年はかなりの暖冬だそうで、地元の人たちも雪が降ってくれることを望んでいるようでした。ちょうど俺が帰る頃になって、街でも大雪になって、クリスマスの素敵なイルミネーションに雪がかぶり、とても美しい光景でしたよ。

さて、「帰る頃になって・・・」って言うと、あれ!?って思う人も多いことでしょうね。実は、当初の予定を変更して日本に帰ることになったのです。今は、空港でフライトの時間を待ちながらhiden mailを書いています。
今年のヨーロッパ遠征では、今までにないほど厳しさをたたき込まれました。また、自分の能力(すべての面において)のなさを痛感させられたと言う感じでもあります。今は日本に帰って、少しだけ落ち着いた時間をとり、そして一からリスタートするために考えなくてはいけないことが沢山あります。

まず、気になっている人も多いようなので、レースについてお話ししましょう。
今年は、scheduleにもあったように、12月に入ってから毎週末レースを転戦するというスケジュールでした。海外でのレースをこんなに転戦するのは久しぶりのことでしたが、まず驚いたのがエントリー数の多さ。
アルパインは低迷していると言われていますが、毎レース100人を超すエントリー数で、womenも合わせると300人近い人数に、まだまだアルパインも捨てたモンじゃないと思いましたよ。で、何せバーンの固いこと固いこと。まったくもって歯が立ちませんでした。また、数年前に比べると、かなりレベルも上がっていて、時には小さなレースでも、ワールドトップランカーも出場してくるんですよ。ワンミスしたら、絶対に2本目にすら残れません。自分自身を120%出せたとしても残れたかどうか分かりません。毎週末2戦ずつ戦うと、本当に疲れるし、移動や調整を考えたら充実してトレーニングを積むことも出来なかったのも事実です。しかし、大会に出ることによって得たものは、何よりも大きく、今後の俺のスノーボードライフに大きく影響すると感じています。残りのレースに出場しない理由は、12月末のレースと1月中旬のレースへの出場許可が下りなかったことです。もちろん、レースに出場するためにはルールがあるので、自分一人の力ではどうにもならないこともあるのです。

自分の能力のなさを痛感したというのは、春から順調にトレーニングを積んできて、すべての準備が整ったと思いシーズンインを迎えたのにもかかわらず、実際ヨーロッパに来てみてトレーニングを積み、レースを転戦し始めて見ると、現実的に甘い部分が沢山あったと言うことに気が付いたからです。過去何年かのシーズンインを振り返ってみると、もちろんすべてが順調にいっていた訳ではないのですが、ここまで準備不足を痛感させられたのも初めてのことです。
いつも思うけど、毎年毎年積み重ねていることに終わりはない。そうだね、なんて言ったらいいのか分からないけど、どんなに経験を積んだとしても、その経験が自分の基本的な能力をたたき上げ、そこがスタート地点となりまた歩み始められる、そんな気がしています。
だから、今回これだけの経験を出来たことは、俺にとってもう一度スタートし直せるチャンスをもらったということなのかな?

もちろんレースだけではなくて、トレーニングに対する思い、私生活の考え方、そして人と接することの大事さ、そういったものすべて含めて、自分の能力のなさに痛感したと言うことかもしれません。

しかし、ここでひとつだけ言い切れることがあるとすれば、長岡英明はこれで終わらないと言うこと。確かにつまずくことは沢山あるにしても、春から言っているように、納得するシーズンを過ごすために、「本気になれば何でも出来る」そう信じています。想いを強くもってもう一度スタートし直します。
そして、本当に納得できるシーズンにするために全力を尽くします。

これからも、皆さんのたくさんの応援、宜しくお願いします!

Merry Christmas and a Happy New Year!
ひで