hiden voice

2003/4/14 「小さな幸せ・・・」


3月23日のプロ戦を最後に、プロレーサーとしてのシーズンが終わったと告げたが、
その後も俺は各地を転々としていた。メーカーのイベントや試乗会、雑誌の撮影、草レースのお手伝いなどなど、今や春の紫外線の強い雪焼けで真っ黒な顔をしている。
そんな中で、4月12日(土)13日(日)の白馬47スキー場でのイベントを最後に、しばらく雪の上からは遠ざかることになる。白馬47のイベントというのは、「EYES CUP」というアマチュアのC級大会があり、その大会にプロエキシビジョンという形でのプロ賞金レースがあるのだ。その上、各メーカーの来季ボードの試乗会も兼ねているので、大変盛り上がった大会となるのだ。今や定番となったこの大会に参加する人数も半端じゃない。今回は約100人ものエントリーを断る事となり、参加人数延べ300人を超すシーズン最後のビックイベントとなった。アマチュア選手も各地から集まり、すべてのプロが出場するわけではないのだが、賞金目当てにほとんどのトッププロは顔を合わせることになる。賞金がかかると皆真剣だ。もちろん俺も、プロに上がってからは毎年参加している。
今回は賞金目当てというより、今シーズン得た経験を元に、来シーズンにつながる滑りをしようと望んだ。しかも今年から種目が増え、PGSとPSLの2種目にて争うことになった。
コースも例年よりテクニカルなコースへと変わり、色々と試すには絶好の場所だ。

12日(土)PGS、エントリー数からの考慮もあり、2本合計のタイムレースとなる。
この日はあいにくの雨、しかしそこにはレースを楽しめている自分が居た。
同走者は工藤英昭プロ(R17BURTON)。工藤さんは言わずと知れたトッププロ、今シーズンもプロツアーランキング1位に輝いた真の実力者だ。同走となると相手に惑わされることも多々あるが、工藤さん相手だと落ち着いて滑れる。実力が分かっているから、たとえリードされたとしても慌てないからね。
レース1本目は、会心の滑りでゴールすることが出来た。しかしこの大会は後々までタイムを発表しない。2本目が終わるまで・・・。2本目も気持ちよく滑れたと思う。
バーンコンディションはあんまり良くなかったが、そんな中でも今までにない自分の滑りが出来たと思う。結果を知ったのは、レストハウスで工藤さんとまったりしている頃。一人の友達の「おめでとう!」の一言に、結果速報の掲示板まで走る。一枚のリザルトの一番上に位置していた名前は、紛れもなく『長岡英明』の名前だった。その瞬間、自分の心底からこみ上げてくるうれしさに、とても幸せな気分になった。
確かに正式なプロ戦ではないが、この錚々たるメンバーの中、優勝できたことは俺の中ではとても価値のある勝利だった。そして、必ず来シーズンにつながる勝利だと思う。
翌日のPSLも、1本目こそはリズムに乗りきれなかったものの、2本目は納得いく滑りが出来た。最高の滑りでシーズンを締めくくったことは紛れもない事実だ!
この日は工藤さんが優勝!「ダブルひであき」でEYES CUPを締めくくった。

そして、この場を借りて一年間サポートいただいた各メーカーのみなさん、たくさんの応援メールをくれた方々、理解を示して応援してくれる家族にお礼を言いたい。
一年間本当にありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いします。

次に雪の上に上がるのは夏のニュージーランド。
来季に向けてやるべき事も山積み・・・。
今シーズンも終わったばかりだけど、すでに来季に向けて時は流れている。
ふぅ〜、こつこつとがんばるしかないね。
がんばります!そしてこれからの俺にご期待あれ! 
ひで